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イケメン観察

ネタバレに関しての閲覧は全て自己責任でお願いします。

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スイートルームの眠り姫~秋月亮~8話6-10シーン

自分用にメモとしての保存になります。

全てネタバレになりますので、閲覧は自己責任でお願い致します。
誤字脱字がございましたら見逃して下さい。

※主人公の名前は全て「メイ」です。


...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...
6

翌朝…

亮「生卵と白飯だけで、これほど美味い食事を作るとは…。褒めてやる、メイ」
「はいはい、ありがと」

ありあわせのもので用意した簡素な朝食を食べながら、私は朝陽の中で小さく笑った。

(あんまり眠れなかったけど…なんだか、頭がすっきりしてる)

一方、亮は姿勢を正しく正座して、玉子かけご飯を熱心に食べている。

(不正疑惑がもっと応えてるかと思ったのに、平気そう…)

「亮って、横暴で手がつけられない俺様男だけど…本当に強い人だよね」
亮「喧嘩を売っているのか、お前は」
「違う。すごいなって、思ったの」
亮「ならいい」
「元気そうで安心した。昨日、よく眠れたんだね」
亮「…いや、一睡もしていない」

(えっ…)

「ソファじゃ眠れなかった? やっぱり、ベッド貸せばよかったね」
亮「ふざけるな。ソファのせいじゃない、お前のせいだ」

(私のせい……?)

「なんで私のせいなの?」
亮「……わからなくていい」

(っ…なんなの)

むっとして睨みあった後、亮がふと目元を柔らげる。

亮「それより、食事を済ませたら仕事を手伝え」
「え、仕事って…」
亮「決まっているだろう。俺の潔白を、早々に証明してやる
  もう手を貸すな、とは言わない。だから、俺の役に立て」

(亮……)

ふわりと心が浮き立ち、もちろん…と答えかけて、慌てて表情を引き締める。

「あのね…人に物を頼むときは、命令じゃなくて、お願いするものだよ、亮」
亮「…? だからお願いしただろう、今」
「『役に立て』じゃなくて、『手伝って下さい』って言うのが普通なの!」
亮「…わかった、覚えておく」

(言い直したりはしないんだ…)

呆れるけれど、笑ってしまう。

(亮は、一流のビジネスマンのくせに、欠点ばっかりだけど…
 そんなところまで、好きになっちゃったんだ、私)

★----------
7

(出会いは最悪だったのに、こんな気持ちになるなんて…)

考え込んでいると、亮が怪訝そうに私の顔を覗き込んだ。

亮「…何をにやにやしている?」
「っ…なんでもないよ」
亮「で、手伝うのか手伝わないのか、はっきりしろ」
「…しょうがないから、手伝ってあげる」

亮の真似をして、少し偉そうな口調で告げると…

亮「――…よし」

満面の笑みを、亮が返した。

亮「お前がどれだけ使えるか、見物だな」

(……ん?)

ふと、愉しげに呟く亮の唇の端が、目に留まる。

「……偉そうにしてるとこ悪いけど、ご飯粒、ついてるよ」
亮「…どこにだ」
「ほら、ここ」
亮「…!」

指先でご飯粒をつまみながら、私は堪え切れずに吹き出した。

選択肢
1気付いてなかったの?
2子どもみたい
3偉そうなセリフ、台無しだよ

「ふふ、子どもみたい」
亮「……幼児並みに無防備なお前に、言われる筋合いはない」

険しい表情を浮かべ、亮がお箸をパシッと置く。
素早く私の手首を捕まえると…

「え? っ…!?」

ちゅ、と私の指先をついばんで、舐めとった。

「っ……な、にするの!?」
亮「食事は、残さず食べるものだ」

(は……?)

亮は堂々と言い切って、平然とした顔で、食事に戻る。

「だ、だからって……」
亮「黙れ、冷める前に食べろ。この味噌汁はなかなか品のある味だ」

(出汁入りのお味噌で作ったんだけど…
 …なんか、誤魔化された気がする)

釈然としないままお味噌汁を飲み干し、席を立つ。

「お茶、お変わり淹れるね」
亮「…ああ」

(お湯、まだポットに残ってたよね)

キッチンでお茶を淹れていると、亮がぽつりと呟いた。

亮「……こういう暮らしも、いいものだな」
「そう? 私には、当たり前の朝ごはんだけどね」
亮「財前会長がお前を見初めた理由が、わかった
  お前も、俺に足りないものを持っている人間だ」

(それって…)

★----------
8

亮「お前も、俺に足りないものを持っている人間だ」

(それって…)

はっとして、お茶を注ぐ手が止まった。

----------(回想)

「秋月グループほどの大手なら、他にも、合併したい企業はたくさんあるでしょ?
 財前グループにこだわる理由は、何なの?」
亮「……財前会長が、俺にないものを持っているからだ」
「亮に、ないもの?」
亮「ああ。俺にも、俺の父親にもな」

----------(回想)

雪人「財前様が、秋月様にないものを持っている…ですか」
「うん。聞けたのは、それだけ」
雪人「…なるほど、有用な情報を聞けました」
「え、今のが…?」
雪人「はい。秋月様は思っていた以上に、ビジネスに真摯な方のようです」

----------

(気になって、何なのか聞けないままでいたけど…)

「亮と、亮のお父さんに足りないものって…なんなの?」
亮「お前も前に言っていただろう。平たく言えば、愛嬌だ」

(愛嬌…?)

「……愛嬌、欲しいと思ってたんだ」
亮「いや、まったく
  だが……俺のビジネスのやり方には、必要な要素だとは思っている」
「どういうこと…?」

お茶を運んでテーブルに戻ると、亮が静かに話し出した。

亮「昔…俺の父親は、財前会長と同じ事業で競合していたことがあるんだ」

(あ…そういえば、ライバルだったって、財前さんも言ってたっけ)

亮「ホテル事業に、同時期に手をつけて、俺の父親は財前会長と張り合っていた
  そして…ものの見事に敗退し、秋月グループはホテル事業から撤退した
  唯一果たせなかった事業計画だと、親父は死ぬ間際まで悔しがっていた」

(そうなんだ…)

感情を交えず、亮は淡々と、言葉を重ねる。

亮「跡を継ぐことが決まった時に、俺は当面の目標を、ひとつ立てた」
「目標って…何?」
亮「親父が成したことを、超えることだ」

(お父さんを超える、か…)

「尊敬してたんだね、お父さんのこと」
亮「少し違うな。家庭人としての父親には、何の思い出もないし、感慨もない」

(え…)

亮「ただ、仕事上では、周囲にいる誰よりも、筋が通った人間ではあった」

不適に笑う亮を見つめ、驚きが広がる。

(まるで、他人みたいな話し方…)

亮にとっては、その関係が当たり前なのかもしれない。
けれど、私には…少し寂しく思えた。

亮「財前会長は、俺や親父とは違い、周囲の人間を懐深く迎え入れるタイプの経営者だ
  ホテル事業の成功は、根の深いところで、そういう社風に起因しているんだろうな
  俺は、俺のやり方を変えるつもりはないが…
  親父のように、指をくわえて、俺にないものを諦める気もない」

(そっか、それで…)

★----------
9

(そっか、それで…)

「財前さんと戦うんじゃなくて…提携して、ホテル事業を拡大するってことだね」

はっとして呟くと、亮が私に、深く頷き返した。

亮「――…財前会長が何かの折に、言っていた
  ホテル経営の秘訣は、もてなしのひと言に尽きる、と」
「それが……亮に、足りないもの?」
亮「ああ。足りないし、今後も、手に入れることはないだろうな
  その代わり……温かみのある人間を、そばに置くことはできる
  お前にも、人に頼れと言われたことだしな」

清々しい顔で笑う亮の表情には、迷いもためらいも、見当たらない。

(亮が私に、仕事の話をちゃんとするなんて……初めてだな
 なんだか、嬉しい)

「我がまま放題に見えて、色んなこと考えてるんだね…」

しみじみ呟くと、亮の眉が吊り上がる。

亮「当然だろう。俺のことをなんだと思っているんだ、お前は」
「……内緒」
亮「……無礼な女だな」

聞こえないふりをして顔を背けながら…心の中に、亮への答えが浮かび上がる。

(私にとって、亮は…
 孤独な王様みたいなのに、少し、可愛くて……誰よりもかっこいい、
 ……大好きな人だよ
 亮の潔白が証明されたら、この気持ちを伝えよう)

憮然としてお茶を飲んでいる亮を見つめ、胸の奥で、そう決めた。
やがて…食事を終えると、亮は早々に、あちこちに電話をかけ始めた。
直近の部下達と長い間話しこみ、
不正疑惑へのマスコミ対応、幹部への対策を、細々と指示している。

(手伝うって言ったけど、役に立てること、あんまりなさそう…
 私にできることは…、そうだ!)

「亮、ちょっとコンビニ行ってくるね」

邪魔にならないように小声で告げる私に、電話を続けながら亮は頷いた。

----------

(この雑誌で、合ってるよね…)

不正疑惑を一番始めに報じたゴシップ誌を買って、自宅に戻りながらさっそく開く。

(手がかりがないかと思ったけど…載ってる記事は、ネットに出てるのと同じだな
 あれ? ってことは…
 この週刊誌の記者が、最初に不正疑惑の情報を掴んだってことか
 …! そうだ!)

はっとして雑誌を閉じると、私は急いで携帯を取り出した。

★----------
10

亮「一番始めに記事を書いた記者をまず当たってみる…か。悪くない発想だ」

自宅に戻って思いついた考えを話すと、亮はにやりと笑った。

(よかった…。ちょっとは役に立てそう)

亮「発行元は大手の出版社だったな。ツテをつかって、今すぐ調べる」
「あ…待って」

携帯電話を開く亮を、慌てて止める。

「実はひとり、協力してくれそうな人を思いついて、連絡してるの」
亮「何?」

説明を続けようとしたその時、玄関のチャイムが鳴った。

(…! もう着いたんだ)

急いで玄関に向かい、ドアを明けると…

結衣「メイ! さっき電話で言ってたことって本当に…、……!」

飛び込んできた結衣が、亮を見て、目を見開いた。

結衣「……本当みたいね」

(結衣も週刊誌の編集をやってる同業者だし、ツテがないかと思って連絡してみたけど…)

「急いできてくれてありがとう、結衣。ごめんね、仕事中に呼び出して」
結衣「とんでもない! 私にとっては、スクープを取るチャンスだよ
   タクシー捕まえて、飛んできちゃった」

にっこり笑うと、結衣は好奇心を隠そうともせず、亮に視線を送る。

亮「メイ、この女が協力者なのか?」
「うん。私の親友の、高梨結衣さん
 結衣、この人が……」
結衣「秋月グループCEO、秋月亮さんですね。初めまして」

きりって居ずまいを正し、結衣が亮に名刺を差し出す。

亮「初めまして、秋月だ」

(っ……このふたりが名刺交換してるなんて、変な感じだな)

儀礼的な名刺交換が終わるのを待ってテーブルにつき、私は口を開いた。

「それでね、改めて、結衣にお願いがあって…」
亮「…メイ、これは俺の問題だ。俺から話す」

(亮…?)

亮「高梨結衣。俺は何としても…くだらない不正疑惑を払拭する必要がある
  不正疑惑の記事を初めに書いた記者に、情報の出所を確かめたい
  メイの友人なら、信頼ができる。だから…」

言葉を切って、亮がすっと立ち上がる。
そして…結衣に向かって、深々と頭を下げた。

結衣「……!」
亮「俺に、力を貸してほしい」

(っ…亮が、誰かに頭を下げるなんて…)

あ然としていると…結衣が落ち着いた声で亮に告げる。

結衣「頭を上げてください、秋月さん。もちろん、協力を惜しみません
   その代わり…汚名返上したら、私にスクープを独占させて下さい」
亮「ああ、好きなようにしろ」
結衣「そうこなくちゃね!
   ていうか…私は始めから、メイの頼みを断る気なんてなかったですよ」
亮「…そうか」
結衣「さっそく調査してきます。何かわかったら、名刺のアドレスに連絡をいれますね」

からっとした笑みを見せて、結衣は帰っていった。

(さすが結衣…頼りになるなぁ)

ほっとして、亮を顔を見合わせる。

「なんとかなりそうだね、亮」
亮「『なんとかなる』? …違うな」

口元に危険な笑みをにじませ、亮が瞳を輝かせた。

亮「俺を罠にはめようとした人間を、完膚なきまでに、叩きのめす
  俺に噛み付いたことを、後悔させてやる」




ごめん卵かけご飯ってこっちの卵じゃないの……?
玉子かけってなんか違和感が(つД`)

ご飯粒のくだりはもはや新婚ほやほやの夫婦だ
早くもげてほしい。


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 秋月亮

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